背中で寝息をたてているルッキーニをベッドに降ろすと、シャーリーは毛布を掛けてやる。

ルッキーニは寝相が悪い為、掛けてやっても朝方には既にベッドからずり落ちていたりするのだがしょうがない。

とはいえ季節的にも、風邪の引きやすい時期にそれは少し心配なので、とシャーリーはルッキーニの隣に体を滑りおませた。

一緒に寝てればそんなに大きく動くことも無いだろう、と考えての事だ。

「ったく…いつまで経っても子供のままだな」

愚痴を言うにしては優しい顔のままのシャーリー。

小さく寝息を立てていいるルッキーニの頭を軽く撫でると、ルッキーニは擽ったそうに顔をしかめる。



思えばこの少女が、自分を姉や母のように慕ってくれるのは何故だろう。

やはり、胸が大きいからだろうか。

八重歯が可愛い少女は、何故私に懐いているのだろう。

今まで当たり前となっていたことに、シャーリーは疑問を持った。

別に嫌なわけではない、むしろ少し嬉しいくらいだ。

しかし、こんな疑問が浮かんだのは新年だからであろうか――もしかしたら、ルッキーニと同じベッドで寝るのが久しぶりだからかもしれない――。

少女はと言えば、私の胸に顔を埋めるようにしている。

寝ていても、大きい胸が好きなんだな、お前は。

苦笑するように息を漏らしたシャーリーはそこで少し昔のことを思い出した。


――……


「うじゅる〜、やっぱり芳佳は残念賞…」

芳佳に抱きつき、そしてすぐに放たれたその言葉に宮藤は溜息をつく。

「ルッキーニちゃんは大きい胸だからシャーリーさんが好きなの?」

と、そこでルッキーニは何事も無いように答える。

「ん〜ん。シャーリーは優しいし、マーマに似ているから大好きなの、別におっぱいが大きいからじゃないよ」


……――


ああ、そうだった。 私がルッキーニを好きなように、理由なんて無かったんだ。

私は未だに気持ち良さそうに寝ているルッキーニの額に、キスを落とした。

「お前が、その気持ちに気付くまで、もう少しお前のマーマでいさせてくれよな」

シャーリーは小声でそっと囁くと、眠りについた。



「…胸が大きいって所もマーマと似てるがな」

ルッキーニがいつも自慢してくるのを思い出しながら、クスリと笑って今度こそ意識を沈めた。


お正月ssシャッキーニverです。
結構短めですがご了承くださいww
inserted by FC2 system